プログラムの背景
冬編で対象となるのは、様々なジャンル、様々な年代の日用品、歴史的な記録、写真などを含む、秋田の膨大な個人コレクション。これは、油谷滿夫氏が70年以上かけて築き上げたもので、油谷氏自身が変わりゆく秋田の生活文化についての生きたアーカイブといえる。戦後、農業をとりまく状況が激変していることへの気づきから油谷氏は収集に乗り出し、秋田の農業や農村生活、風習、慣習を宿した道具、日用品が廃棄されていくことに危機感を抱いたという。
コレクションの多くは単純な手作り品で、用途も限られている。が、あまりに日常的なモノのため、今の時代に一度失われてしまうと二度と取り戻せないばかりか、そのモノに付随する文化や慣習までもが失われてしまうだろう。
冬編では油谷氏のご厚意により、その個人コレクションから、秋田の季節/秋田の余暇/秋田の食文化/秋田の芸術・芸能/秋田の生業/秋田の家庭生活をテーマに、いくつかのモノや文献をお借りする。これらのモノを出発点として、秋田のコンテクストをリサーチし、最終的なコンセプトを発展させてほしい。
問いかけと課題
「油谷コレクションに埋めこまれた多様な物語は、どのように再発見され、問い直されることで、新しい世代を刺激し、様々なレベルのクリエイティブな協力者を生み出すことができるだろうか」
「秋田ならではの固有なポイントは何か。また、地域や国を越えても共通するのは何だろうか」
「油谷氏のようなコレクターが抱える知識や暗黙知を誰もがアクセスできるアーカイブスとするためには、どのような保存、共有のやり方があるだろうか」
キークエスチョンを出発点として、新しい物語を創造すること。物語を表現するメディアや表現形式は問わない。また、制作プロセスをテキストや写真で記録する。
選択したモノと、そのモノのために創作した新しい物語を成果物として展示すること。
成果発表
AKIBI複合芸術ピクニック秋田/京都 冬編最終成果展 記録映像
(2023年1月14日 @秋田市文化創造館)
2023年1月14日、秋田市文化創造館 スタジオBで最終発表および1日限りの展覧会を実施。発表はオンラインでも同時配信した。会場にはメンターを務めた油谷滿夫ほか、一般鑑賞者が集まった。
プレゼンテーションでは「旅によって変容するマタギの装具と価値観」「視ヱナイ カオ」「運ぶ者の足跡と足音」「Footpath :よくみることの景色」「価値の尺度」をテーマに、受講生たちが選んだアイテムと7日間で制作した成果物を前にそれぞれの「新しい物語(ニュー・ナラティブス)」を発表した。
「古い道具と向き合いながらも、未来志向のプログラムになった」とプログラム・ディレクターの岸健太。岩井成昭は「プロセスをデザインすることで、ゴールに向かう手法を学び、答えを出した。触って、使って、思考できる油谷氏のコレクションは素晴らしい教材になった」と評価した。
庄司彩未
物語
「旅によって変容するマタギの装具と価値観」
チームHmm… ( 岡本真実、福士真穂、三浦永)
インスタレーション・パフォーマンス
「視ヱナイ カオ」
森口 武
インスタレーション・サウンドデザイン
「運ぶ者の足跡と足音」
山﨑隆正
キャプション
「Footpath:よくみることの景色」
チームこけしもろこし ( 川口朱徳、菊地綾子、平川めぐみ)
インスタレーション
「価値の尺度」
プログラムの背景
冬編で対象となるのは、様々なジャンル、様々な年代の日用品、歴史的な記録、写真などを含む、秋田の膨大な個人コレクション。これは、油谷滿夫氏が70年以上かけて築き上げたもので、油谷氏自身が変わりゆく秋田の生活文化についての生きたアーカイブといえる。戦後、農業をとりまく状況が激変していることへの気づきから油谷氏は収集に乗り出し、秋田の農業や農村生活、風習、慣習を宿した道具、日用品が廃棄されていくことに危機感を抱いたという。
コレクションの多くは単純な手作り品で、用途も限られている。が、あまりに日常的なモノのため、今の時代に一度失われてしまうと二度と取り戻せないばかりか、そのモノに付随する文化や慣習までもが失われてしまうだろう。
冬編では油谷氏のご厚意により、その個人コレクションから、秋田の季節/秋田の余暇/秋田の食文化/秋田の芸術・芸能/秋田の生業/秋田の家庭生活をテーマに、いくつかのモノや文献をお借りする。これらのモノを出発点として、秋田のコンテクストをリサーチし、最終的なコンセプトを発展させてほしい。
問いかけと課題
「油谷コレクションに埋めこまれた多様な物語は、どのように再発見され、問い直されることで、新しい世代を刺激し、様々なレベルのクリエイティブな協力者を生み出すことができるだろうか」
「秋田ならではの固有なポイントは何か。また、地域や国を越えても共通するのは何だろうか」
「油谷氏のようなコレクターが抱える知識や暗黙知を誰もがアクセスできるアーカイブスとするためには、どのような保存、共有のやり方があるだろうか」
キークエスチョンを出発点として、新しい物語を創造すること。物語を表現するメディアや表現形式は問わない。また、制作プロセスをテキストや写真で記録する。
選択したモノと、そのモノのために創作した新しい物語を成果物として展示すること。
成果発表
AKIBI複合芸術ピクニック秋田/京都 冬編最終成果展 記録映像
(2023年1月14日 @秋田市文化創造館)
2023年1月14日、秋田市文化創造館 スタジオBで最終発表および1日限りの展覧会を実施。発表はオンラインでも同時配信した。会場にはメンターを務めた油谷滿夫ほか、一般鑑賞者が集まった。
プレゼンテーションでは「旅によって変容するマタギの装具と価値観」「視ヱナイ カオ」「運ぶ者の足跡と足音」「Footpath :よくみることの景色」「価値の尺度」をテーマに、受講生たちが選んだアイテムと7日間で制作した成果物を前にそれぞれの「新しい物語(ニュー・ナラティブス)」を発表した。
「古い道具と向き合いながらも、未来志向のプログラムになった」とプログラム・ディレクターの岸健太。岩井成昭は「プロセスをデザインすることで、ゴールに向かう手法を学び、答えを出した。触って、使って、思考できる油谷氏のコレクションは素晴らしい教材になった」と評価した。
庄司彩未
物語
「旅によって変容するマタギの装具と価値観」
チームHmm… ( 岡本真実、福士真穂、三浦永)
インスタレーション・パフォーマンス
「視ヱナイ カオ」
森口 武
インスタレーション・サウンドデザイン
「運ぶ者の足跡と足音」
山﨑隆正
キャプション
「Footpath:よくみることの景色」
チームこけしもろこし ( 川口朱徳、菊地綾子、平川めぐみ)
インスタレーション
「価値の尺度」